田野畑の暮らし(四季折々の楽しみ)について
田野畑村は、太平洋に面した断崖に位置します。
岩手県のなかでも夏は涼しく、冬は緯度の割に温暖な地域です。
手つかずの自然が残る田野畑村の美しさと、
その自然がもたらす恵みや文化を堪能できることが田野畑村に住む醍醐味です。
四季折々の楽しみについて紹介します。

長い東北地方の冬が明け、4月後半から桜前線が田野畑に到着します。誰もが心躍る季節の到来です。
5月から映える新緑はとても美しく思わずため息が出ます。
4月が最盛期となる養殖ワカメの収穫を手伝えば、メカブを食べきれないほど頂けます。




春は山菜のシーズンでもあります。タラの芽やふきのとうなど産直で手に入ります。天ぷらでいただきましょう。
サクラマスはぜひ食べて頂きたい春の魚です。鮭に似ていますが、脂が乗り驚くほど美味です。
6月に入るとウニも解禁となります。取れたてのウニ丼を堪能しましょう。

田野畑の夏は短期集中です。
最高気温が30℃を超える日は1年に1週間程度。そのため多くの家庭ではクーラーを備えていません。
関東以南の外にも出られない猛暑が続く昨今の気候においては、涼しい田野畑の夏は避暑に最適です。


田野畑の特徴としてヤマセが降ります。
ヤマセとは、東北地方沿岸部にて春から夏に吹く冷たく湿った東からの風のことです。
しばしば冷害をもたらす、農業にとってはやっかいな風ですが、ヤマセが発生したときは、世界が白い霧に包まれ、異空間にいるように錯覚します。
一見の価値ありです。


海ではサッパ船や海水浴(1週間限定の海開き)などマリンレジャーを楽しめます。
各種お祭りも各地域にて開催されます。
また、村内を流れる普代川では春から夏にかけてイワナ、ヤマメの川釣りも楽しめます。
キャンプやバーベキューなども思い切り楽しむシーズンです。

秋は紅葉の美しいシーズンです。
色とりどりの広葉樹と常緑針葉樹のコントラストに息を飲みます。田野畑はマツタケの産地です。
2020年は大豊作でした。
高級食材のマツタケが驚きの価格で産直で販売されていました。友人知人に送り喜ばれました。




また、鮭が有名な産地です。最近は不漁が続いていますが、以前は鮭御殿が立ったほどです。
脂のノリが素晴らしく、鮭の美味しさにびっくりしました。田野畑に来て魚に対する見方がまるっきり変わりました。
山ぶどうも名産です。
11月には搾りたての山ぶどうジュースが堪能できます。

12月からは間引きワカメが始まります。田野畑はワカメも産地です。
特に野生種を取り扱っており希少なアワビ漁も始まります。地域内で流通するものは少ないですが、漁師にとって貴重な現金収入の手段となっています。
この地域は稲作に適している地域とは言えないため、大豆や小麦、雑穀、じゃがいもなどの生産が盛んでした。
大豆やじゃがいもを使った保存食も特徴の一つです。なかでもじゃがいもを凍らせて粉にする「凍みイモ粉」などは著名です。


正月は神楽も盛んです。県指定無形文化財である大宮神楽など、冬は興行が多くなります。
毎日のように雪かきをしなくてはいけない内陸の豪雪地帯とは異なり、まとまった降雪は年に2-3回です。
雪化粧をした大自然は本当に美しく、大雪の後の青天はまぶしい銀世界が拡がり、その美しさに感動します。